対応症状
中高年に多い変形性膝関節症とは??

めぐり整体代表の菅井謙介です。いつまでも元気で、好きなことを続けてもらう身体づくりを提供することで、地元である下野市小金井への恩返しができたら幸せに思います。
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栃木県下野市にある「めぐり整体」代表の菅井です。
今回は、中高年に多い変形性膝関節症について書いていきます。整形外科でレントゲンを撮って「膝の内側が狭くなってますねー。」と言われると、変形性膝関節症と診断されることが多いと思います。症状としては「歩き始めが痛い」「歩くと痛い」「階段がつらい」という訴えをよく聞きまね。このブログでは、変形性膝関節症に対する理解、痛みの原因、対策について2回に分けて書いていきたいと思います。
超簡単まとめ
・変形性膝関節症は、長年にわたる膝関節への偏った荷重ストレスによって関節に変形をきたす疾患です。
・痛みは、大きく分けて膝の荷重時痛(体重をかけた時)と、膝がしらの周りの痛みに分けられます。
・膝を構造的に不安定にしている要因として膝関節屈曲拘縮(曲がったままで伸びない)があります。
変形性膝関節症の変形とは??
変形性膝関節症は、長い年月をかけて膝に偏ったストレスが加わり、徐々に関節が変形していく疾患です。変形の程度や進行度はレントゲンで評価されます。例えば、関節の隙間が狭くなっているかどうか、骨棘といわれる骨のトゲのようなものができているかどうか、軟骨下骨が硬化しているかどうか、骨が欠損しているか、骨が委縮しているか、などを見て総合的に評価されます。ただし、レントゲンなどの画像評価と実際に患者さんが感じる症状は必ずしも一致するものではありません。(レントゲンではだいぶ変形が進んでいるが、痛みはない方もいらっしゃいます)
なぜ変形していくの??
お伝えしたように、膝に偏った荷重ストレスが加わった結果、変形が進んでいきます。ですので、偏ったストレスが加わらなければ極端な変形は起こりません。(加齢による変形は皆さんあります。)では、なぜ偏ったストレスが加わるのか?その原因となるものがいくつかあります。
変形を助長してしまう要因とは??
細かく分けるとたくさんありますので、ここでは多くの方に共通している3つに絞ります。
- 捻挫;大きな捻挫でなくても、過去に足首を捻っていると足首が不安定な状態になっていることが多々あります。足首の上に膝は乗っかりますので、足首がグラグラしている状態ですと、膝に偏った負担がかかります。
- 筋力低下:運動不足や出産後の体幹の筋力低下により骨盤のアライメント(骨の配列)が変わり、体重が外側にかかりやすくなります。また、股関節周りの筋力が低下しても同じように体重が外側にかかります。この偏った体重のかかり方が、長い目で見ると問題になってきます。
- 柔軟性の低下:加齢や運動不足による柔軟性の低下も問題となります。股関節の可動域に左右差や制限が生じてしまうと、荷重のバランスも変化していきます。がに股の人(股関節が外に向いている)と内股(股関節が内に向いている)の人では、体重のかかり方は異なります。つま先が正面を向いている方が良いのですが、がに股、内股は荷重のかかり方が、偏ってしまいます。
どうして痛いのか??
特徴的な痛みについてご説明していきます。
膝の内側が痛い場合の多くは、関節の内側が狭くなっている場合が多く、立っている姿勢を見ると膝が外に広がっている(倒れている)ことが多いです。その姿勢で歩くと、体重が膝関節の内側に多くかかり、関節の内側が圧縮されるストレスが加わります。また、内ももの筋肉にも負担がかかり、膝の内側に痛みが出やすくなります。
もう一つは、階段での痛みについてです。変形性膝関節症の方の多くは、重心が後方に残っていることが多いです。重心が後方に残ったまま、階段を上り下りすると、膝関節の前面にストレスが加わり痛みが生じやすくなります。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
今回はここまでとして、次回は「どうすれば良いか?」について書いていきたいと思います。変形した膝を戻すことはできませんが、痛みを和らげることはできることが多いです。今からでも、できることをしっかりしていきたいですね。また、長年の積み重ねで発症するものですので、不調のある方は、当然ですがそのままにせず、体のケアやメンテナンスをしておいた方が良いと思います!
参考図書:改訂第2版 関節機能解剖学に基づく整形外科運動療法ナビゲーション下肢