対応症状

膝蓋靭帯炎について

膝蓋靭帯炎
2021.12.24

めぐり整体代表の菅井謙介です。いつまでも元気で、好きなことを続けてもらう身体づくりを提供することで、地元である下野市小金井への恩返しができたら幸せに思います。

詳しいプロフィール

いつもブログをお読みいただきありがとうございます。栃木県下野市にあります「めぐり整体」代表の菅井です。今回の記事は膝蓋靭帯炎について書いていきます。膝蓋靭帯炎は膝前面(膝のお皿の下)の痛みで、特にスポーツをされている方でお悩みの方も多いのではないでしょうか?膝前面痛にもみな同じではなく種類がありますので、この記事では、膝蓋靭帯炎について分かりやすくまとめ、理解を深めていただこうと思います。

膝蓋靭帯炎の診断

膝蓋靭帯炎は一般学生の発生率13.8%に比べて、トップアスリートに多く発症し、その割合は35%~50%と報告されています。主訴は膝蓋靭帯部の疼痛で初期はスポーツ活動後のみに生じますが、進行するとスポーツ活動中にもみられるようになります。膝蓋靭帯に圧痛を認め、膝屈曲位にて強い例、膝伸展位にて強い例、膝蓋靭帯の膝蓋骨付着部に限局してみられる例などがあります。MRIでは、膝蓋靭帯表層、膝蓋下脂肪体、膝蓋靭帯の膝蓋骨付着部深層などに異常所見を認めることがあります。このように、膝蓋靭帯炎には複数の病態があり、それらを分類し、治療する必要があります。

発生メカニズムと理学所見

膝蓋靭帯表層:膝蓋靭帯表層には滑液包が存在します。膝伸展機構への張力が増すほど膝蓋靭帯表層への伸張性ストレスが増大し滑液包に炎症が生じると考えられています。このタイプは膝屈曲位で圧痛がみられ大腿直筋短縮テストは陽性であることが多いとされています。治療は患部の安静と膝伸展機構へのストレス軽減が必要です。

膝蓋下脂肪体:膝蓋下脂肪体は関節内で滑膜外の組織です。前額面から見ると上方は膝蓋骨上縁をやや超え内側よりも外側が高位まで、下方は膝蓋靭帯と脛骨前上縁との間に侵入しています。矢状面から見ると前方は膝蓋靭帯後面に部分的に浸潤し後方は半月板前縁にあります。膝蓋靭帯後方と膝蓋下脂肪体の間には滑膜が存在し膝蓋下脂肪体の滑走性を助けています。膝蓋下脂肪体は疼痛を生じやすい組織であり、膝伸展位で圧痛がみられ膝を強制的に伸展させると鋭い痛みが出ます。この場合は、膝蓋下脂肪体の柔軟性と滑走性の改善が必要になります。

膝蓋靭帯深層:膝蓋靭帯に損傷がある場合、膝蓋骨尖をえぐるように圧迫すると圧痛が生じるとされています。大腿直筋短縮テストでは疼痛は陰性になる場合が多いようで、この場合は、靭帯の修復過程を考慮して治療を進めていきます。

アプローチと運動療法

膝蓋靭帯表層タイプ:大腿四頭筋など膝前面筋のストレッチを行い、筋肉の緊張を軽減させていきます。また、猫背や足首が硬いなどの理由から膝関節に負担がかかっていますので、動作姿勢の改善や股関節・体幹のトレーニングを行っていきます。

膝蓋下脂肪体タイプ:脂肪体の柔軟性と滑走性の改善が必要になります。膝蓋骨の可動性を改善させたり筋収縮を使って膝蓋骨を動かすトレーニングを行います。脂肪体が硬くなる場合、膝関節の筋肉を上手に使えなくなっていますので、同様に股関節や体幹のトレーニングを併せて行い、膝関節の筋肉を使えるようにしていきます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?膝蓋靭帯炎といっても病態が異なります。それぞれに合わせてやることも違うので、どのタイプかを見分けることが重要ですね。正確な診断にはエコーやMRIなど画像所見が必須ですので、確認することをお勧めします。靭帯に損傷がある場合は修復過程を無視してしまうと難治性にもなりますので注意してください。

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