対応症状

鎖骨骨折について

鎖骨骨折
2022.02.21

めぐり整体代表の菅井謙介です。いつまでも元気で、好きなことを続けてもらう身体づくりを提供することで、地元である下野市小金井への恩返しができたら幸せに思います。

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いつもブログをお読みいただきありがとうございます。栃木県下野市にあります「めぐり整体」代表の菅井です。今回は鎖骨骨折について書いていきます。治療院で鎖骨骨折の患者さまを診ることはほとんどありませんが、発生頻度は比較的少なくない印象があります。このブログを読むことで鎖骨骨折いついての理解と、対策を学ぶことができると思います。

鎖骨骨折の整形外科的知識

鎖骨骨折の分類では、骨折部を中央部、外側端部、内側端部に分類しており、そのうち中央部での骨折は鎖骨骨折の80%を占めます。鎖骨は高い治癒能力を持つため、原則として保存療法が中心となります。しかし、転位の大きい場合や整復が困難な場合は、骨折部の偽関節、変形治癒が生じ機能障害をきたすことがあるため手術が選択されます。保存療法にはギプス固定やバンド固定があり、手術ではプレート固定や髄内釘固定があります。保存療法の固定期間の目安はおおよそ4週間とされています。

鎖骨の運動

鎖骨は、体幹と肩を繋ぐ唯一の関節であり胸鎖関節と肩鎖関節を作っています。胸鎖関節の安定性はほとんどなく、動的な安定性は僧帽筋上部、三角筋前部、大胸筋鎖骨部によって保証されています。静的には強靭な宇口鎖骨靭帯(菱形靭帯・円錐靭帯)が肩甲骨と鎖骨を連結することにより補強されています。この靭帯は、鎖骨の運動を制御するとともに僧帽筋上部線維の鎖骨への作用を肩甲骨へ伝達する働きがあります。

肩を上に挙げた時、鎖骨も一緒に動いています。鎖骨の動きは主に挙上と回旋があります。挙上は、30°~36°で、これは上肢側挙の際10°に対し4°の割合で挙上します。上肢挙上運動において肩甲骨は約60°回旋することが知られていますが、この運動は、鎖骨の挙上運動30°と回旋運動30°が協調して行われています。鎖骨の回旋運動は、特に90°以上の挙上動作で行われると言われています。

鎖骨骨折のリハビリ

手術後のリハビリでは、術式や術後の状態によっても行うことが変化しますので、ここでは保存療法のリハビリについて書いていきます。おおよそ4週間は固定するのですが、鎖骨の癒合に応じて可動域訓練を始めます。注意点は、挙上動作では鎖骨も動きますので骨の癒合時期を見ながら可動域を広げていくことです。癒合の状態を無視すると悪影響もあるので癒合が進んでいない状態から、積極的な可動域訓練は行いません。また、固定後は筋力も落ちてしまい、肩が上がらなくなります。ここでも、鎖骨の癒合をみながら筋力強化を図り、肩の機能を取り戻していきます。これまでの経験ですが、固定後の挙上は90°しか上がらないところからのスタートも多かったのですが、最終的には上まで挙がるようになり左右差はなくなりました。最後まで挙がらずにリハビリが終了した人は経験したことがないので、最後までリハビリすることをお勧めします。

まとめ

・鎖骨骨折の80%は中央部骨折です

・鎖骨は高い治癒能力を持つため、原則として保存療法が中心です

・しかし、転位の大きい場合や整復が困難な場合は、骨折部の偽関節、変形治癒が生じ機能障害をきたすことがあるため手術が選択されます

・保存療法の場合、固定期間はおおよそ4週間です

・リハビリは骨の癒合をみながら進められ、可動域訓練と筋力強化が中心に行われます

・経験上、最後まで肩が挙がらなかった方はいませんでしたので、担当の先生の指示を聞いてきちんとリハビリに通うことをお勧めします

いかがでしたでしょうか?今回は、鎖骨骨折について書いてみました。もし、まだ肩が挙がりきっていないけどリハビリ期間が終了してしまった、もしくは、リハビリが終了になったけど、もう少し続けたいという方がいらっしゃいましたらご連絡下さい。きっとお力になれると思います。くれぐれも、途中で面倒になってリハビリに行かなくなることがないようにしてくださいね!

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