対応症状

胸郭出口症候群について

胸郭出口症候群
2022.02.27

めぐり整体代表の菅井謙介です。いつまでも元気で、好きなことを続けてもらう身体づくりを提供することで、地元である下野市小金井への恩返しができたら幸せに思います。

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いつもブログをお読みいただきありがとうございます!栃木県下野市にあります「めぐり整体」代表の菅井です。今回は胸郭出口症候群について書いていきます。胸郭出口症候群は腕神経叢といわれる神経の問題で、症状としては主に上肢の痺れや痛みになります。この記事を読むことで、胸郭出口症候群に対する理解と対策を学ぶことができるかと思います。

胸郭出口症候群の病態

胸郭出口症候群とは、第一肋骨、鎖骨、ならびに前中斜角筋で形成される胸郭出口付近において、腕神経叢や鎖骨下動静脈に起因する上肢の痛みや痺れを有する疾患群の総称として提唱されました。病態として、はじめは神経・血管の圧迫症候群と理解され治療されてきましたが、血管障害が主症状の血管性胸郭出口症候群は非常に少なく、95%から98%が腕神経叢過敏状態を呈する神経性胸郭出口症候群であることが明らかとなり、さらに腕神経叢の圧迫以外に牽引刺激による病態も判明してきました。

胸郭出口症候群牽引型に対しては、保存療法の良い適応となりますが、その病態としては圧迫・牽引が混在した混合型の割合が最も多いため、どちらの刺激が症状の発現に最も関連しているのかを見極める必要があります。

症状の誘発

上肢下方牽引テスト:上肢を下方に牽引することで腕神経叢に伸張刺激を加えます。牽引型の場合は症状の増悪や再現が見られます。

肩甲骨挙上テスト:肩甲骨を挙上して腕神経叢を緩めることで、症状が改善・消失する場合、胸郭出口症候群牽引型の可能性が高いです。

胸郭出口症候群牽引型の特徴として、腕神経叢の圧迫により圧痛・放散痛を認めるとともに、牽引刺激にて症状が誘発されるのに対して、牽引刺激を解除すると症状が改善することが挙げられます。胸郭出口症候群の圧迫型では、肩関節外転・外旋位において症状が再現・増悪するのが特徴です。

胸郭出口症候群牽引型と肩甲骨の位置異常

胸郭出口症候群牽引型では、姿勢との関係があり猫背や肩甲骨の位置異常が見られます。肩甲骨は外転・下方回旋・前傾を呈していることが多く、小胸筋の硬さや僧帽筋中部・下部の筋力低下、肩甲挙筋や菱形筋の代償動作などが関与しており、これが長期間持続することで胸鎖関節や肩鎖関節の硬さに進展し腕神経叢は過敏状態となります。

アプローチ

胸郭出口症候群に対するアプローチは大きく分けて3つあります。

1つは姿勢の改善です。頭部前方偏位や猫背があることで神経過敏の状態を作っていますので、肩甲骨の位置異常を含め、改善していきます。主に、筋肉に対してアプローチしていきます。

2つ目は、神経のリリースをします。神経も筋膜組織に包まれており、周辺組織の硬さも影響し神経自体の柔軟性と伸張性がなくなりますので、優しく神経に触れることでアプローチしていきます。

3つ目は、神経の滑走性や伸張性に対してアプローチしていきます。筋肉や神経の柔軟性が改善傾向になってきたところで、患者様に動いて頂き、神経自体が滑走できる状態を作っていきます。

まとめ

・胸郭出口症候群とは、第一肋骨、鎖骨、ならびに前中斜角筋で形成される胸郭出口付近において、腕神経叢や鎖骨下動静脈に起因する上肢の痛みや痺れを有する疾患群の総称をいいます。

・胸郭出口症候群は神経過敏の状態であり圧迫型と牽引型がありますが、混合型が一番多い傾向があります。

・牽引型の特徴として、上肢を牽引すると症状の再現や増悪が見られます。逆に、肩甲骨や上肢を持ち上げ、神経を緩ませると、症状の緩和が見られます。

・圧迫型の特徴として肩関節外転・外旋位で症状の再現・増悪が見られます。

・胸郭出口症候群は、猫背や肩甲骨位置異常といった不良姿勢が関係しています。

いかがでしたでしょうか?上肢の痛みや痺れがある場合は、胸郭出口症候群の可能性があります。上肢を下方に牽引したときに症状の再現があれば可能性は高くなります。その場合は専門家への受診をお勧めします。姿勢との関係がありますので、背中を丸めて長時間仕事をするなど、気を付けましょう。

引用・参考書籍

関節機能解剖学に基づく整形外科運動療法ナビゲーション上肢・体幹

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