対応症状

夜間痛を合併した五十肩について

五十肩
2022.03.07

めぐり整体代表の菅井謙介です。いつまでも元気で、好きなことを続けてもらう身体づくりを提供することで、地元である下野市小金井への恩返しができたら幸せに思います。

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いつもブログをお読みいただきありがとうございます。栃木県下野市にあります「めぐり」整体代表の菅井です。今回は、夜間痛を合併した五十肩について書いていきたいと思います。夜間痛は、肩が痛くて夜に眠れない、または、目が覚めてしまうなどの症状です。五十肩の患者様に多くみられますので、ご説明していきます。この記事を読むことで、夜間痛に対する理解を深めることができるかと思います。

夜間痛の病態について

夜間痛の病態を示した報告として、烏口肩峰アーチ周辺(肩関節の部位の名称)の圧の変動が夜間痛の発生に関与しているとされています。夜間就寝時に疼痛を生じる理由としては、坐位や立位では、上肢の重量により烏口肩峰アーチの隙間が拡大しますが、寝ている状態では拡大せず烏口肩峰アーチ周辺の圧が上昇しやすいためといわれています。イメージしやすいように大雑把にお伝えしますと、肩関節の圧が高くなってしまうと夜間痛を発生しやすく、寝ているときは肩の位置の関係から、圧がより高くなりやすいということです。

夜間痛を引き起こす要因

一次的要因として肩峰下滑液包炎、腱板炎に伴う腫脹、肩峰下骨棘の増殖、烏口肩峰靭帯の肥厚、二次的な要因としては、肩峰下滑液包と腱板の癒着、腱板のスパズム・浮腫・短縮、腱板疎部を中心とした上方組織の拘縮とされています。これらは、肩関節の圧を上昇させる要因になります。

上方支持組織の癒着について

棘上筋・棘下筋は肩関節の運動の際に肩甲上腕関節の支点形成に関与します。肩関節内外転時には両筋と肩峰下滑液包との間には組織間の円滑な滑走が生じています。しかし、腱板炎や肩峰下滑液包炎後の拘縮例では、両筋と肩峰下滑液包との間で癒着を生じ滑走が阻害され、肩甲上腕関節は外転拘縮を呈していることが多いです。このような症例では、肩関節内転運動時に上腕骨大結節を肩峰下から十分に引き出すことができず、骨頭は上方に偏位します。そのため、肩峰下圧が高まり疼痛が生じます。夜間痛の改善には、肩関節上方組織である棘上筋・棘下筋と肩峰下滑液包との滑走を改善することが重要となります。

肩甲骨の位置について

肩甲骨の位置異常があっても肩峰下圧を上昇させる要因になります。非常に多いのが、仰向けで寝た時に、肩甲骨がベッドから浮いているケースです。背中が丸くなり、猫背になっているのですが、仰向けで寝た時に肩甲骨がベッドから浮いてしまうと、肩は伸展位となり硬くなった上方組織が常に伸張位になってしまいます。そのポジションも、夜間痛を助長する要因になります。

やるべきこと

まず初めに行うことは、肩関節を積極的に操作するよりも、仰向けで寝た状態になったときに、肩甲骨をベッドにつくようにします。そうさせている要因は、背骨や前胸部の硬さ、頚部の硬さが関与していますので、そちらにアプローチをしていきます。肩甲骨の位置がベッドに近づいてきたら、肩関節の伸展・内転可動域を拡大して、硬くなっている上方組織の柔軟性を改善していきます。ベッドから腕を床方向にだらんと垂らした状態が取れると、上方組織の柔軟性が良好です。

まとめ

・夜間痛は肩関節の圧が高くなると発現しやすい

・座位や立位では腕の重みで肩峰下は拡大されるため圧は上がらないが、寝た状態になると肩峰下は拡大されないので夜間痛が発生しやすい

・棘上筋と棘下筋の滑走不全や伸張性の低下が、骨頭を上方に偏位させ夜間痛が発生しやすくなる

・寝た状態で肩甲骨がベッドから離れていると、肩関節は伸展位となり棘上筋・棘下筋は伸張され夜間痛が発生しやすくなり

・まずは、寝た状態で肩甲骨がベッドにつく状態を目指し、それと同時に肩関節伸展・内転可動域を拡大させていく

いかがでしたでしょうか?今回は、五十肩に多くみられる夜間痛について書いてみました。痛みが強いときは薬の処方もありますので、医療機関を受診されてみて下さい。痛みを緩和させる場合は、寝た状態で肩甲骨がベッドにつくようにしてみましょう。ボールを使って肩甲骨と背骨の間をほぐしたり、胸の前をほぐしたり、首をほぐしたりすると肩甲骨の位置も変わってきます。一人ではできない場合は、専門家にみていただいて下さい。

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