対応症状

投球障害肩について

投球障害肩 後方部痛
2022.03.27

めぐり整体代表の菅井謙介です。いつまでも元気で、好きなことを続けてもらう身体づくりを提供することで、地元である下野市小金井への恩返しができたら幸せに思います。

詳しいプロフィール

いつもブログをお読みいただきありがとうございます!栃木県下野市にあります「めぐり整体」代表の菅井です。当整体では野球選手を多く診させていただいておりますので、今回は投球障害肩について書いていきます。投球障害肩の病態は色々あるのですが、今回は2つタイプの肩後方部痛について書きます。このブログを読むことで、投球障害の一部の知識と対策を知ることができると思います。

肩後方部痛のタイプ

投球障害の後方部痛にもタイプがあり、投球の中で痛むポジションが異なります。一つ目は、肩外転・外旋位になったとき、もう一つは、腕を振り終えたとき(フォロースルー)です。前者の場合の多くは、肩甲骨の動きが悪いか、もしくは肩前方組織が緩く、肩後方の組織が関節内外で挟み込み・衝突が起きています。後者は、フォロースルーの時に、肩後方の組織が過剰に伸ばされてしまうことで起こります。

肩後方の筋肉由来の疼痛

投球動作におけるフォロースルーでは、上肢の動きを減速させるため肩後方の筋である三角筋後部、棘下筋、小円筋に遠心性収縮が強要されます。繰り返し生じる同筋への過負荷は微細な損傷や断裂を引き起こし、その後の癒着や瘢痕化の過程を通じて内旋可動域制限が生じます。フォロースルー期での疼痛が重要な所見となります。

関節内の衝突による疼痛

肩外転・外旋位のポジションをとったときに、大結節と後上方関節窩との間で後上方関節唇や腱板関節面が衝突する現象が起こります。原因としては、肩前方の関節包や靭帯の緩さ、後方関節包の拘縮が挙げられます。投球時に、最大外旋位のポジションでの疼痛が重要な所見となります。

フォロースルー期で痛い場合の対処法

肩後方組織の硬さがあり可動域制限がありますので、まずそれを取り除きます。特に水平内転可動域と2nd/3rdポジションの内旋可動域の改善は必須です。この原因は、股関節の可動域制限、体幹の回旋制限、肩甲骨の可動域制限が根本原因としてありますので、肩の可動域制限を改善した後に、それらの改善とトレーニングを行います。

最大外旋位で痛い場合の対処法

同様に、肩内旋制限がありますので可動域の改善を図ります。特に1stポジションの内旋制限が残っているとテークバックから骨頭求心位が阻害され最大外旋時のインピンジメントに繋がるケースが多く存在しますので注意が必要です。肩前方組織が不安定な場合は、骨頭を安定させるためのインナーマッスルトレーニングが必要です。また、肩甲骨の動きが悪い場合は、特に肩甲骨の内転・後傾・下制の可動域を改善させた後、その可動域を自分で動かせるようにトレーニングが必要です。

まとめ

・投球障害肩の後方部痛にはいくつかタイプがあります。

・1つは筋肉由来のもの、もう一つは関節内のインピンジメントに大別されます。

・筋肉由来のものはフォロースルー期での痛み、関節内のインピンジメントは外転外旋時の痛みがあります。

・筋肉由来の後方部痛の根本原因は、股関節の可動域制限、体幹の回旋制限。肩甲骨の可動域制限、筋出力低下などが原因となりますので、そのチェックも行い改善を図る必要があります。

・関節内のインピンジメントの根本原因は、肩甲骨の可動域制限と筋出力低下、肩関節内旋制限、骨頭安定性低下などが挙げられます。上記の筋肉由来の痛みよりも、より正確に可動域制限の改善とインナーマッスル、肩甲骨周囲筋のトレーニングを行い、骨頭の安定化を図る必要があります。

いかがでしたでしょうか?投球障害には上記の他にもさまざまな病態があります。基本的に保存療法が第一選択(状態が酷い場合は手術が選択されることもあります)になり、保存療法に抵抗する場合は手術療法が選択されます。投球障害で保存療法を行う場合は、特に、セラピストの腕で結果が大きく変わる印象があります。(あくまで個人的な印象です)リハビリをしているが症状が改善してこない場合は、リハビリ施設を変えてみることも大切なことだと思います!

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