対応症状

成長期に多い腰椎椎弓疲労骨折(分離症)とは?

成長期スポーツ障害
2021.04.03

めぐり整体代表の菅井謙介です。いつまでも元気で、好きなことを続けてもらう身体づくりを提供することで、地元である下野市小金井への恩返しができたら幸せに思います。

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いつもブログをお読みいただきありがとうございます。今回は、成長期に多い腰椎椎弓疲労骨折(分離症)についてお話していきます。お子さんが部活などでスポーツをされている場合、腰が痛いと訴えることもありますよね?中・高生の年代ですと腰椎椎弓骨折(分離症)の可能性もあります。その場合、初期対応が悪いと、治らない場合もありますので、保護者の方には知っていてほしい知識になります。このブログを読むことで、腰椎椎弓骨折(分離症)の基礎知識と対応について知ることができます。

腰椎椎弓骨折(分離症)とは

腰の骨である腰椎(背骨の下から5つの骨で構成される部分)の一番下にある第5腰椎に好発する疲労骨折の一種です。骨が未発達な成長期において、身体の前後屈や腰のひねり、ジャンプからの着地といった動作を繰り返すスポーツの過度な練習が原因となるケースが多いとされています。10〜15歳の男児に多く、スポーツ選手では30〜40%が分離症を起こしているといわれています。

どうして起こるのか?

背骨は、前方の円柱状部分を椎体、その後ろから出ているアーチ状の部分を椎弓といいます。椎弓の斜め後方部分は細く衝撃に弱いため、スポーツなどで激しい運動を繰り返していると疲労骨折を起こして亀裂が入ることがあり、それが進行すると椎体と椎弓が分離してしまいます。第5腰椎に起こりやすいのは、この部分での脊椎の傾斜が大きく、負担がかかりやすいためです。椎弓の左右両側が分離した場合は、腰椎が前にずれる腰椎分離すべり症に進行していくケースもあります。

どんな症状が出るのか?

腰痛が主な症状です。動作だと腰を後ろに反らせたり、腰をひねったりすると痛みが誘発されます。安静時は痛みがないこともあるため、発症に気づかないケースも少なくありません。また、発症したことに気づかずそのままにしていて、高齢になってから痛みが出始めるケースもあります。分離した部分の神経が圧迫されると、坐骨神経痛によって腰から下肢にかけて痛みとしびれが出たり、腰椎分離すべり症に進行すると、慢性的な腰痛や下肢のしびれなどが出ることがあります。

どう対応すればいいのか?

まずは、腰が痛い原因が筋肉の問題なのか、骨の問題なのかを判断しなければなりませんので、病院に受診しましょう。分離症の初期の場合は、レントゲンやCT検査だけでは分からないことも多いので、MRI検査のできる病院が望ましいです。(進行期や末期になるとレントゲンでも判断できます)分離症の場合、初期であれば硬性コルセットで固定して骨癒合が期待できますが、進行期や末期まで分離が進んでしまうと骨癒合があまり期待できません。ですので、早めに受診をして骨に問題があるのか、ないのか、はっきりさせることをお勧めします。

どう防いでいけばいいのか?

腰の骨に対して、反るストレスと、ひねるストレスが過剰にかかると、腰痛や分離症になる可能性が高くなります。多くの場合、股関節や腰の上の胸椎(背骨の胸あたり)の可動性が非常に悪くなっていることが多いです。例えば、野球でバットを振る場合、股関節や胸椎が回らないと腰のひねりが強くなります。体を反る場合、股関節の前面が伸びないと腰の反る動きが強くなります。このように、股関節や胸椎の動きの悪さが、腰の負担になりますので、予防するには、小アン説や胸椎の可動域をしっかり出しておくことが大切になります。

末期の場合はどうするのか?

分離症の末期は、完全に骨が分離した状態ですので、コルセットによる骨癒合は期待できません。しかし、必ずしも腰が痛いかというと、そうではありません。プロ選手の中にも、分離症のままプレーを続けている選手も多く存在します。その場合、上記と同様に股関節や胸椎の可動域を出して腰にかかる負担を最小限にすると同時に、体幹インナーマッスルの筋力強化を図ります。

まとめ

・腰椎椎弓疲労骨折(分離症)の場合、早期の発見が重要である。

・分離症初期の場合は、コルセットで固定することで骨癒合が期待できる。

・進行期や末期の場合は、固定による骨癒合の期待はできない。

・分離症を防ぐには、股関節や胸椎の可動域が重要になる。

・体幹のインナーマッスルのトレーニングも重要である。・分離症になっても、股関節や胸椎の可動域、体幹のトレーニングによりプレーできる選手も多くいるが、痛みが出てしまう人もいる。

いかがでしたでしょうか?腰椎の分離症は、成長期のスポーツ障害では多く見られます。初期症状の時に見つけられると良いですので、まずは病院受診とMRI検査をお勧めします。

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